極力、そちらを見ずに避けるように、気配を消すように歩きます。読経は暗闇に響き渡りっていました。その何者かの横を通り過ぎた瞬間でした。経が突然止み、こちらに向かってフヮリとジャンプをして、近づいてきたのです。僕は慌て走りだしました。逃げる際にその何者かが一瞬ですが目に入りました。ボロボロの笠を目深に被り、杖を持った行者のようでした。幸運にも、少し行くとすぐに坂は平坦になり、自転車に飛び乗るとひたすらにペダルをこぎ続けました。気がつくと山を下り小さな集落にでていました。どうやら、その災厄から逃れることができたようです。そこで先行したO君は待ってましたが、僕は体力的にも精神的にも疲れはて、何故か先程の話をする気にはなれませんでした。明らかにあの出来事でエネルギーを奪われた僕はその後、残りをどのように走って家に辿り着いたのか覚えていません。
その日はお盆でした。下界に降りてきた英霊を供養し、無事に天界へ帰っていただく日です。もしかしたら、僕はそちらとこちらの世界の接点部分、トワイライトゾーンに脚を踏み入れてしまっていたのかも知れません。無知な若者の取り留めのない行動が起こしてしまった不可思議な騒動でした。
その日はお盆でした。下界に降りてきた英霊を供養し、無事に天界へ帰っていただく日です。もしかしたら、僕はそちらとこちらの世界の接点部分、トワイライトゾーンに脚を踏み入れてしまっていたのかも知れません。無知な若者の取り留めのない行動が起こしてしまった不可思議な騒動でした。
後日、この話をO君にしましたが、途中で詳しいことを言うのは止めにしました。
先だって、淡路に行きましたが、薄れつつある記憶から辛うじて思い出した騒動の場所を通りましたが、ただ、初夏の太陽の下で風が大きく吹き荒れ、森が大きく揺れているだけでした。
先だって、淡路に行きましたが、薄れつつある記憶から辛うじて思い出した騒動の場所を通りましたが、ただ、初夏の太陽の下で風が大きく吹き荒れ、森が大きく揺れているだけでした。
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